勃起しにくい・持続しない等で性交が満足に行えない時の対処法

勃起力の低下や持続時間の短さ、硬さが足りないなどの勃起に関する悩みを持つ男性は、20代でも4割近いというデータがあります。性機能の症状は心身の健康状態と密接に関係しており、年齢を問わず誰にでも起こりうる問題です。ストレスや生活習慣の乱れ、加齢による身体機能の変化など、原因は様々な要素が絡み合っています。
性機能の悩みは一人で抱え込みやすく、パートナーにも相談できずに困っている方が多くいます。しかし、適切な対処法や治療法を知ることで、症状は改善に向かうでしょう。
この記事では、勃起力低下の原因から具体的な対処法、治療のオプションまで、幅広い情報をまとめています。医学的な観点から症状を理解することで、自分に合った改善方法を見つけることができるでしょう。また、勃起に関する悩みの解決方法を理解することで、パートナーとの関係性を良好に保つことも期待できます。
勃起・勃起力・勃起不全とは?EDのチェック方法

勃起とは、性的な興奮によって陰茎(ペニス)の海綿体に血液が流れ込み、陰茎が硬くなる生理現象のことです。一方、勃起力とは、陰茎が硬くなるのに必要な力を指します。
満足いく性交を経験するためには、十分に陰茎を硬くし、それを性交が終わるまでの長時間にわたって持続させるための「勃起力」が必要になります。
血液が陰茎の海綿体に流れるのは性的興奮による単なる反射ではなく、脳が性的興奮を感じることでその情報が脊髄神経を経由して陰茎に伝わることで発生します。脳の性的な興奮が陰茎に伝わると体内で一酸化炭素が放出されて陰茎の海綿体に血液が流れ込みます。
また、勃起が起こると陰茎内の血管から血液が外に流れないような作用が働くことで勃起の状態が維持されます。
このように、「脳」「脊髄」「陰茎」「血管」などが正常に働いてはじめて、健康な勃起力が発揮されることになります。
勃起不全(勃起障害)は、英語で「Erectile Dysfunction」と言い、その頭文字から一般的には「ED」と呼ばれています。
EDの主な症状としては以下のようなものがあります。
- 勃起までに時間がかかる
- 勃起したときの硬さが足りない
- 勃起状態の持続力が短い
- 性交の途中で萎えてしまう など
自宅で今すぐできるEDチェック方法
勃起機能の状態は、自宅で簡単にチェックすることができます。
具体的な方法は難しいものではなく、「朝の勃起の回数や強さを記録する」ことで勃起機能の状態を把握することが可能です。
健康な状態であれば、週に1~2回程度の朝立ちが見られます。勃起の回数や強さが明らかに少ない・弱いときにはEDを疑う必要があるかもしれません。
また入浴時や就寝前に、ペニスの硬さや持続時間をチェックすることも有効な方法となります。勃起時の角度や持続時間に変化が見られた場合は、生活習慣の乱れや体調の変化が影響している可能性があります。
定期的にセルフチェックを行うことで、早期に異常を発見することができ、必要に応じて医療機関を受診する判断材料となります。チェック結果は記録として残しておくと、医師への相談時に役立つでしょう。
勃起しにくい・たたない根本的な原因
ペニスが硬くならない、勃起が持続しないなどの悩みには、さまざまな原因があります。
勃起しにくい・勃たない原因には、主に以下のようなものがあります。
- 血流低下
- 男性ホルモンの減少
- 神経系の障害
- ストレス
- 生活習慣の乱れ
ここからは、EDの原因の詳細を解説します。
血流低下による勃起不全
ペニスの勃起には、十分な血液量が必要不可欠です。血流が低下する原因には、加齢による血管の弾力性低下、喫煙、運動不足、高血圧、糖尿病などがあります。特に生活習慣病は血管を傷つけ、血流を妨げる要因となります。
長時間のデスクワークや座りっぱなしの生活も、下半身の血行を悪化させます。血流を改善するには、有酸素運動を定期的に行うことが効果的です。
ウォーキングや軽いジョギングから始めることで、下半身の血行が良くなり、勃起力の改善が期待できます。また禁煙や適度な運動習慣を取り入れることで、血管の健康を保つことができます。
男性ホルモンの減少の影響
EDの原因として、男性ホルモンの減少も関係している可能性があります。
テストステロンと呼ばれる男性ホルモンは、性欲や勃起力に大きな影響を与えます。男性ホルモンは加齢とともに自然に減少しますが、不規則な生活習慣や強いストレス、睡眠不足によっても低下するのが特徴です。
男性ホルモンが不足すると、性欲が減退し、勃起力も弱くなります。また筋力の低下や疲れやすさ、意欲の減退なども現れます。男性ホルモンの分泌を促すには、質の良い睡眠をとることが重要です。
また筋力トレーニングや適度な運動を行うことで、ホルモンバランスを整えることができます。栄養バランスの良い食事を心がけ、十分な休養を取ることも大切です。
神経系の障害とED
神経系の障害も、EDに関係している可能性があります。
勃起には自律神経系の働きが深く関係しています。自律神経は交感神経と副交感神経のバランスで調整されており、勃起時には副交感神経が優位になりますが、過度のストレスや緊張状態が続くと交感神経が優位になり勃起を妨げます。また糖尿病や脊椎の疾患によって神経が損傷を受けると、勃起機能に支障をきたすことがあります。
自律神経のバランスを整えるには、規則正しい生活リズムを保つことが大切です。ストレス解消法を見つけ、リラックスできる時間を作ることで、神経系の働きを改善することができます。十分な休息と睡眠を取り、心身のバランスを整えることが重要です。
ストレスによる勃起力低下
仕事や人間関係による精神的なプレッシャーは、勃起機能に大きな影響を及ぼします。過度なストレスは、体内でコルチゾールというストレスホルモンの分泌を増加させ、性機能を低下させる原因となります。また、ストレスによる不眠や食欲不振は、体調を崩す要因にもなります。
また、性行為の際に感じる緊張や不安も、勃起力を低下させる心理的なストレスとなります。特に性行為に関する精神的なプレッシャーは、パートナーと率直に話し合うことで軽減できる場合があります。
結婚まで視野に入れているパートナーなら、性行為が健全に行えることは長期的に良好な関係を築くのに必要不可欠です。どのような点で緊張してしまうのか、どうすれば性的興奮を得られるのか、パートナーとオープンに話し合ってみるのもED解消につながるでしょう。
生活習慣の乱れとED
不規則な生活リズムは、勃起機能に悪影響を及ぼす大きな要因です。睡眠不足や偏った食事、運動不足は、血行を悪化させるだけでなく、男性ホルモンの分泌も減少させます。長時間のデスクワークや座りっぱなしの生活は、下半身の血流を滞らせる原因となります。
また飲酒や喫煙の習慣は、血管を収縮させ血行を妨げます。生活習慣の改善には、まず規則正しい睡眠時間を確保することから始めましょう。栄養バランスの取れた食事を心がけ、適度な運動を日常に取り入れることで、勃起機能は改善に向かいます。休日は十分な休養を取り、心身をリフレッシュすることも大切な要素となります。
服用している薬剤による勃起力低下
自身の身体や精神の問題だけでなく、服用している薬剤の効果や副作用によってEDが発生する可能性もあります。
以下のような薬剤は、その副作用でEDになる可能性があるため、特に注意が必要です。
- 降圧剤
- 抗うつ剤
- 睡眠薬
- 精神安定剤 など
ただし、上記の薬剤を服用していても、EDの原因がほかにある場合もあります。ED改善のためと自己判断して上記の薬剤の服用をやめてしまうと、かえって症状が悪化するかもしれません。
性行為中の勃起トラブル対処法

勃起不全や中折れなどに悩む方にとって問題になるのは、性行為中に症状が出てしまうことです。症状が改善しないと心理的にも大きなストレスになるだけでなく、パートナーとの関係性にも悪影響になることも考えられます。
ここでは、性行為中に勃起不全や中折れなどのトラブルが起きた場合の代表的な対処法について解説します。
挿入前にたたない時の対策
性行為を始める前の勃起不全は、緊張や不安が主な原因となります。パートナーの目を気にして余計なプレッシャーを感じたり、勃起への不安が先行したりすることで、勃起力が低下します。
このような状況では、性行為にこだわらずスキンシップから始めることが有効です。ゆっくりと前戯の時間を楽しみ、お互いの体に触れ合うことで自然な興奮を促すことができます。
また性行為の環境も重要な要素です。室温や照明、音などの環境を整え、リラックスできる空間を作ることで、勃起不全の改善につながります。性的な興奮を感じにくい場合は、パートナーと好みや希望を話し合うことも大切です。
途中で萎えてしまう原因と解決
性行為中の中折れは、身体的な疲労や精神的なストレスが原因となります。長時間の体位維持による筋肉の疲労や、呼吸が浅くなることによる血行不良が影響します。
また射精への不安や、パートナーを満足させられるかという心配も、勃起力の低下を招きます。中折れを防ぐには、まず適度な休憩を取りながら行うことが大切です。体位を変更することで、筋肉の疲労を分散させることもできます。
深い呼吸を意識し、体全体の血行を促すことも効果的な方法です。パートナーと事前に中折れの可能性について話し合い、理解を得ておくことで、精神的な負担が軽減します。
パートナーとの向き合い方
性機能の問題は、カップル双方に精神的な負担をかけることがあります。勃起への不安から性行為を避けるようになり、パートナーとの関係が悪化する場合もあります。
男性は自尊心が傷つき、パートナーは自分に魅力がないと感じてしまうかもしれません。このような状況を乗り越えるには、お互いの気持ちを共有し、理解を深めることが大切です。
ここからは、パートナーと2人でEDに向き合う対策として「コミュニケーションの取り方」と「精神的な負担を減らす方法」について解説します。
コミュニケーションの取り方
EDの問題をパートナーと共有することは、勇気が必要です。しかし、一人で抱え込まずに話し合うことで、お互いの不安や心配が和らぎます。性行為の前にリラックスした状態で対話を持ち、二人で解決策を考えることが大切です。
性的な会話に限らず、日常的な会話を増やすことで心理的な距離が縮まります。パートナーの気持ちに耳を傾け、焦らず時間をかけて信頼関係を築いていきましょう。必要に応じて医師やカウンセラーに相談し、専門家の立場から二人の関係をサポートしてもらうことも効果的です。
時には性行為以外のスキンシップを楽しむなど、お互いの気持ちに余裕を持って接することが大切です。
精神的な負担を減らす方法
勃起への不安や焦りは、さらなる精神的なストレスを生み出します。自分を責めたり、必要以上にプレッシャーを感じたりすることは、症状の改善を妨げる要因となります。
まずは性行為の結果にこだわりすぎず、二人で過ごす時間を大切にする意識を持ちましょう。パートナーとゆっくり話し合い、お互いの気持ちを理解し合うことで、心の負担は軽くなります。軽い運動や趣味の時間を共有するなど、性行為以外の活動を楽しむことも効果的です。
リラックスできる環境を整え、二人で落ち着いた時間を過ごすことで、自然な関係性を取り戻すことができます。性機能の回復には時間がかかることもありますが、焦らず段階的に改善を目指すことが大切です。
勃起しにくい時の即効性のある対処法

勃起しにくいと感じたときは睡眠やリラックスなどの対策で改善する可能性もありますが、すぐに効果が現れるわけではありません。
「来月のデートまでに勃起不全を改善させたい」といった場合、より即効性のある対策を選択する必要があります。
即効性のある対策としては、やはり「治療薬の服用」が挙げられます。治療薬の選び方や使用方法、処方薬の種類や効果を知っておくことで、自身に合う対策が立てやすくなるでしょう。
ここからは、即効性のあるEDの対処法として、ED治療薬の選び方のポイントを紹介します。そのほか、性行為中の中折れなどを改善するために、すぐに実践できる対処法を解説します。
ED治療薬の選び方と使用法
ED治療薬は医師の処方箋が必要な医薬品です。作用時間や効果の強さは製品によって異なり、自分の生活スタイルや体調に合わせて選択することができます。治療薬の中には、食事の影響を受けにくい種類や、効果が長時間持続するタイプなど、特徴の異なる製品があります。
医師との相談時には、普段の生活リズムや性行為の頻度、持病の有無などを詳しく伝えることが大切です。
また副作用の可能性もあるため、自己判断での服用は避け、必ず医師の指示に従って使用します。治療薬の効果を最大限に引き出すには、服用のタイミングや注意点を正しく理解することが重要です。
処方薬の種類と効果
ED治療薬は主に血管を拡張させる作用があり、ペニスへの血流を改善します。
処方薬の種類によって期待できる効果が異なるため、ED治療を始める前に「どの処方薬にどのような効果があるか」を事前に知っておくと良いでしょう。
ここでは代表的なED治療薬の効果をまとめました。
治療薬 | 主な効果 |
---|---|
シルデナフィル | 服用から1時間程度で効果が現れ、4~5時間持続 |
タダラフィル | 効果の持続時間が長く、服用後36時間程度効果が続く |
バルデナフィル | 食事の影響を受けにくい特徴があり、食後でも安定した効果が期待できる |
これらの薬剤は、性的な刺激があった時のみ効果を発揮し、自然な勃起のメカニズムに沿って作用します。
効果の強さや持続時間は個人差があるため、医師と相談しながら自分に合った薬剤を見つけることが大切です。初めて服用する場合は、少量から開始して徐々に調整していくことをおすすめします。
服用時の注意点
ED治療薬を安全に使用するには、いくつかの重要な注意点があります。
例えば、硝酸薬を使用している場合は、重篤な血圧低下を引き起こす危険があるため、ED治療薬との併用は禁止されています。また硝酸薬を利用していない薬でも、心臓病や肝臓病、腎臓病などの持病がある場合は、慎重な服用が必要です。
服用前にアルコールを摂取すると、薬の効果が弱まったり副作用が強く出たりする可能性があるため、併せて注意が必要です。
治療薬の種類によっては、めまいや頭痛、顔のほてりなどの副作用が出ることもあります。異常を感じた場合は、すぐに医師に相談します。服用のタイミングは、性行為の計画に合わせて調整し、1日1回の服用を守ることが大切です。薬の効果を最大限に引き出すために、規則正しい生活リズムを心がけましょう。
中折れを防ぐなら筋肉や身体の疲労軽減が必要
性行為中の中折れを防ぐためには、適切な準備と実践的な対応が必要です。体力の消耗を防ぐため、疲労が蓄積している時は十分な休息を取ってから性行為に臨みます。
また深い呼吸を意識することで、血行を促進し勃起力の維持につながります。体位は腰や太もも、臀部に負担がかかりすぎないものを選び、定期的に変更することで筋肉の疲労を軽減できます。室温が低すぎると血行が悪くなるため、適度な室温管理も重要です。
また、性的な興奮を持続させるには、パートナーとのアイコンタクトやスキンシップを積極的に取り入れましょう。前戯の時間を十分に取ることでも性的興奮につながり、自然な勃起状態を維持しやすくなります。
性行為の直前にもできるEDの改善方法
満足な性行為のためには、事前の準備が重要な要素となります。まず性行為の2時間前には食事を済ませ、消化に必要なエネルギーを確保します。シャワーや入浴で体を温めることで、血行が促進され勃起しやすい状態を作ることができます。
寝室の環境も大切で、適度な室温と湿度、心地よい照明を整えることでリラックスした雰囲気を作ります。アルコールの過剰摂取は勃起力を低下させるため、飲酒は控えめにしましょう。
また性行為前の軽いストレッチで、体をほぐすことも効果的です。血流がよくなり、EDの改善に期待が持てます。
前戯に集中することが大切
いざ挿入しようとしたときに勃起力が足りない、あるいは挿入中に中折れしてしまった場合、無理に勃起を再開させようと思って焦るとかえって逆効果になる場合があります。
どうしても勃起できない、勃起に硬さを感じない場合、一度「前戯」に戻ることも重要です。焦らずパートナーと前戯に集中することで緊張や不安が解消され、性的興奮を再度感じることで勃起できるようになる可能性もあります。
パートナーに事前に事情を説明したうえで、会話やキスをしたり身体に触れあったりして、気持ちが高ぶるのを待ちましょう。
彼女とオープンに話し合うことも重要
付き合っている、あるいは結婚しているパートナーがいる場合、自分がEDになってしまったことを正直に打ち明けることも大切です。
まず、自分がEDであること、EDが簡単には解消しないものであることを伝え、「愛情がないから勃起しない」というわけではないことを知ってもらいましょう。パートナーの協力があれば精神的な負担を解消でき、EDの改善につながる可能性もあります。
EDが改善しない場合は、パートナーと話し合ったうえで、セックス以外に愛情を確かめ合う方法について考えてみると良いでしょう、
自宅で実践できるED改善方法

EDに悩む方は治療薬で改善を目指していくことになりますが、それ以外にもできることはたくさんあります。
ここでは、自宅の日常生活のなかで実践できる、EDに改善方法を解説します。具体的なEDの解消方法の例を挙げると以下のとおりです。
- 勃起力を高める運動を習慣化する
- EDに有効な食事と栄養を摂取する
- 朝立ちが改善する生活習慣を取り入れる
- ストレッチをする
- レノーヴァ(衝撃波治療)を始める
それぞれの改善方法の詳細を知り、今後の治療に活かしていきましょう。
勃起力を高める運動を習慣化する
勃起機能を改善するには、下半身の血行を促進する運動が効果的です。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、全身の血行を改善し、勃起力の向上につながります。1日30分程度の運動を目安に始めましょう。
また長時間のデスクワークでは、1時間ごとに軽い運動を取り入れることで、下半身の血流停滞を防ぐことができます。
姿勢を正しく保つことも重要で、猫背や骨盤の歪みは下半身の血行を妨げる原因となります。運動を習慣化するには、無理のない範囲から始め、徐々に強度を上げていくことがお勧めです。
骨盤底筋トレーニングをおこなう
骨盤底筋は勃起機能に直接関わる重要な筋肉です。この筋肉を鍛えることで、勃起力の向上と持続時間の改善が期待できます。
骨盤底筋を鍛えるトレーニング方法「ケーゲル体操」のやり方は以下のとおりです。
- 仰向けに寝て膝を曲げる
- 足を肩幅に開く
- 排尿を止めるような感覚で肛門や尿道あたりを「約5秒間」ぎゅっと締める
- 5秒間脱力する
- 3~4を1セット10回、1日3セットを目安に実践する
座位や立位など、様々な姿勢で行うことができ、通勤時間や仕事の合間など、隙間時間を活用して続けることができます。筋肉に負担をかけすぎないよう、適度な休息を取りながら継続することが大切です。
血流改善エクササイズをおこなう
血流を改善するエクササイズは、全身の血行を促進し、勃起機能の回復を助ける効果が期待できます。血流改善に効果があるエクササイズの代表例が「スクワット」「腹筋運動」「ストレッチ」です。
スクワットは下半身の大きな筋肉を使う運動で、血流改善に効果的です。膝を90度程度曲げる浅いスクワットから始め、徐々に深さを増やしていきましょう、また腹筋運動も同様で、骨盤周りの血行を促進し、勃起機能の改善につながります。
寝る前のストレッチも効果的で、特に太もも、お尻、腰回りの筋肉をゆっくりと伸ばすことで、下半身の血行が良くなります。これらの運動は無理のない範囲で行い、体調に合わせて回数や強度を調整することが大切です。
また、毎日の入浴も血流改善に効果的です。身体が温まることで血流が良くなったり睡眠の質が改善されたりする可能性があり、結果として勃起力に好影響を与える可能性もあります。
EDに有効な食事と栄養を摂取する
勃起機能を改善する食事では、血管の健康を保つ栄養素の摂取が重要となります。
EDに効果が見込める栄養素は「亜鉛」「ビタミンE」「アリシン」「タンパク質」などです。
栄養素 | 含まれる食品 | 期待できる効果 |
---|---|---|
亜鉛 | 牡蠣・レバー・ナッツ類 | 精子の生成や男性ホルモンの分泌に関わる栄養素 |
ビタミンE | アーモンド・青魚 | 血液をサラサラにする |
アリシン | 玉ねぎ・にんにく | 血行促進 |
タンパク質 | 肉類や魚介類、大豆製品 | 男性ホルモンの生成に必要な栄養素 |
食物繊維 | 野菜など | 食物繊維が豊富で生活習慣病の予防にもつながります。 |
上記のような栄養素を含む食材を、普段からバランスよく摂取するように心がけましょう。
朝立ちが改善する生活習慣を取り入れる
朝立ちは勃起機能の健康状態を示す重要なバロメーターとなります。良質な睡眠を取ることで、自然な朝立ちが戻ってくるでしょう。
就寝時刻と起床時刻を一定にし、7時間以上の睡眠時間の確保が大切です。寝室は適度な温度と湿度に保ち、光や音を遮断することで深い睡眠を得やすくなります。就寝前のスマートフォンやパソコンの使用は控えめにし、ブルーライトの影響を減らすことがポイントとなります。
夕食は就寝3時間前までに済ませ、アルコールの摂取も適度な量にとどめましょう。休日は平日と同じ睡眠リズムを保つことで、体内時計が整います。質の良い睡眠習慣を続けることで、朝立ちの頻度や強さの改善が期待できます。
禁煙をする
喫煙は、EDのリスクを増大させる大きな原因です。よって、禁煙することでED解消に効果が見込める可能性があります。
普段から喫煙習慣がある方は、タバコを控えた生活をしばらく続けてみましょう。
ストレッチをする
骨盤底筋トレーニングや血流改善エクササイズを進めることが難しい方は、ストレッチを導入してみましょう。
効果が見込めるおすすめのストレッチは「開脚ストレッチ」です。骨盤周辺の筋肉が柔らかくなれば陰茎に血液が流れやすくなり、勃起力を高める効果を得られる可能性もあります。
【開脚ストレッチのやり方】
- 両脚を大きく開いて床に座る
- 背中が丸まらないよう注意しつつ、伸ばした脚の方へ上体を倒す
- 反対側も同様に行う
このときに注意したいのが、「無理に開脚は必要ない」ということです。無理に開脚を強行してしまうことで、かえって股関節や周辺の筋肉を傷めることになる可能性があります。
レノーヴァ(衝撃波治療)を始める
レノーヴァ(衝撃波治療)は、EDの根本的な治療を可能にした医療機器による治療のことです。
以下のような仕組みによって、EDの解消を目指しています。
- 低出力衝撃波を陰茎に照射
- 陰茎内で血管が振動する
- 新しい血管を形成する「細胞増殖因子」が放出される
- 新しい血管が増える
- EDの症状が改善される
レノーヴァは、1回20分程度の治療を週1回の頻度で4~6回継続すると、本来の勃起力を取り戻せる可能性が高いとされています。治療自体に痛みがあるわけでもなく、副作用の報告もありません。
年代・症状で変わるED対策

勃起障害の原因や症状は年代によって以下のように特徴が異なる場合があります。
20代~30代 | 心理的な要因(仕事のストレスや過度な性的興奮など) |
40代~50代 | 生活習慣病や加齢による身体的な変化など |
また、パートナーとの関係性も年代によって変化するため、コミュニケーションの取り方にも配慮が必要となるでしょう。
年齢や症状に応じた適切な対策を選ぶことで、効果的な改善が期待できます。早めの対策と予防的な取り組みが、良好な性機能の維持につながります。
ここからは、年代別のED対策の例を解説します。
20~30代の若年性ED改善
若い世代のEDは、精神的なストレスが主な原因となることが多いでしょう。仕事の忙しさやプレッシャー、人間関係の悩みなどが影響を与えます。
また、インターネットの普及により過度な性的刺激に触れる機会が増え、実際の性行為での興奮が得られにくくなる場合もあるでしょう。
また、パートナーと性交渉をする数日前からインターネットなどで性的刺激を得るのを中断したり、マスターベーションを数日我慢したりすることも検討しましょう。日常的に性的興奮を得る状態から遠のく時期を設けることで、パートナーとの性交渉でより強く性的興奮を感じられる可能性があります。
40~50代のED予防と対策
40~50代では、加齢による身体機能の低下や基礎疾患がEDの原因となることが多いでしょう。特に糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、血管機能に影響を与えます。定期的な健康診断で基礎疾患をチェックし、早めの対策を取ることがポイントとなります。
また、運動不足や不規則な生活習慣も症状を悪化させる要因です。軽い運動を習慣化し、十分な睡眠を取るなど、基本的な生活習慣の見直しが大切でしょう。
この年代は仕事や家庭でも責任が重くなる時期のため、精神的なストレスにも注意が必要となります。
EDの治療方法と費用の目安

ED治療の選択肢と費用についてED治療には様々な選択肢があり、症状や生活スタイルに合わせて適切な方法を選ぶことができます。
一般的な治療法として、内服薬による治療や注射療法、医療機器を使用する方法などがあるでしょう。治療費用は医療機関や治療方法によって異なり、保険適用の範囲も様々です。まずは専門医に相談し、自分に合った治療法を見つけることが重要となります。
ここからは、ED治療の選択肢や費用など、クリニック・医療機関に迷う前に知っておきたい内容を解説します。
一般的な治療法と特徴
ED治療は症状や原因に応じて、様々な方法から選択することができますが、主に選択できるのは以下の3つです。
- 内服薬
- 注射療法
- 陰圧式勃起補助具
内服薬による治療は、最も一般的な方法として多くの患者に選ばれています。バイアグラやレビトラなどの薬剤は、服用後数十分~数時間で効果が現れます。
注射療法は、より即効性が高く、薬剤をペニスに直接注入することで確実な効果が期待できます。
また陰圧式勃起補助具は、医療機器を使用して物理的に勃起を促す方法となります。生活改善や運動療法と組み合わせることで、より高い効果を得ることができるでしょう。
治療開始前の確認事項
ED治療を始める前には、以下のような重要な確認事項があります。
- 現在の症状や既往歴を医師に正しく告知すること
- 治療費の保険適用の範囲や自己負担額を事前に把握すること
まず現在の症状や生活習慣、既往歴について詳しく医師に伝えます。高血圧や心臓病などの持病がある場合、治療薬の使用に制限が生じる可能性があります。
また現在服用している薬がある場合は、その内容を必ず申告することが重要です。治療期間や通院頻度、予想される副作用についても確認が必要となります。
治療にかかる費用の目安
ED治療の費用は、選択する治療法や医療機関によって大きく異なります。
内服薬による治療では、1回の診察料と薬剤費用が必要となります。初診料は無料のクリニックもありますが、多くの場合2,000円から3,000円程度で、薬剤費は1錠あたり1,000円から3,000円の範囲です。
また、注射療法は1回の治療で2万円前後、陰圧式勃起補助具は5万円から10万円程度の費用がかかります。治療は継続的に行うことが多いため、月単位での予算計画を立てることが重要です。医療機関によって料金体系が異なるため、複数の施設で相談することをお勧めします。
保険適用の有無と範囲
ED治療における保険適用は、原因となる基礎疾患によって判断が異なります。糖尿病や前立腺の手術後など、明確な身体的原因がある場合は保険診療の対象となります。
一方で、心理的な要因が主な原因の場合は自由診療となることが一般的です。保険適用となる場合でも、治療薬は原則として保険対象外のため、薬剤費は全額自己負担となります。
医療機関での検査や診察は保険適用の範囲内で行えますが、初診時の各種検査は自己負担が発生する場合もあります。医師との相談時に、保険適用の可否や自己負担額について確認することが重要となります。
ED治療における注意点と安全性

EDの治療を始める際には、正しい知識と適切な判断が必要となります。インターネットで個人輸入した医薬品や、無承認の健康食品による自己治療は、重大な健康被害を引き起こす可能性があります。
また基礎疾患がある場合や、他の薬剤を服用している場合は、医師による慎重な判断が求められます。治療法の選択には、期待される効果だけでなく、起こりうる副作用についても理解を深めることが重要です。
ここからは「ED治療薬を自己判断で個人輸入するのはおすすめできない」「医療用医薬品と市販薬・サプリの違い」「受診が必要な症状の見分け方」など、知っておきたい注意点を解説します。
ED治療薬を自己判断で個人輸入するのはおすすめできない
個人輸入や無承認薬の使用は、重大な健康被害につながる危険性があります。特に偽造医薬品には、表示量を大きく超えた有効成分や、危険な不純物が含まれている可能性が高くなります。
また持病がある場合、ED治療薬との相互作用で重篤な副作用が起きることがあります。特に狭心症や心筋梗塞の治療で硝酸薬を使用している場合、ED治療薬との併用で急激な血圧低下を引き起こす可能性があります。
未診断の心臓病がある場合、性行為による負荷で症状が悪化することも考えられます。必ず医師に相談し、適切な診断と処方を受けることが重要です。
医療用医薬品と市販薬・サプリの違いと注意点
ED治療に関連する市販薬やサプリメントは、効果や安全性が医療用医薬品とは大きく異なります。医療用医薬品は、厳密な臨床試験で有効性と安全性が確認されていますが、健康食品やサプリメントには同様の基準がありません。
また成分表示が実際の含有量と異なる場合や、表示されていない医薬品成分が含まれているケースも報告されています。漢方薬や生薬由来の製品でも、予期せぬ副作用が起きる可能性があります。
市販品やサプリによる自己治療を続けることは避け、必ず医師の診断と指示のもとで治療薬を服用しましょう。
受診が必要な症状の見分け方
ひとくちに「ED」といっても、症状の重さは全く異なります。どのくらい重症の症状が出た場合に受診を決断するべきか、判断材料を知っておくことをおすすめします。
例えば、以下のようなケースでは様子見の段階ではなく、クリニックや医療機関の受診が必要になると考えられます。
- EDの症状が長期間続く場合や、徐々に悪化する傾向がある場合
- 朝立ちが全くない、勃起が全く得られないなどの重度の症状がある場合
- 突然の勃起不全や、急激な症状の悪化がある場合
- 排尿障害や射精障害を伴う場合
- 定期的な健康診断で異常値が出ている場合
要注意の併発症状
EDに伴って現れる症状には、他の病気のサインが含まれていることがあります。急激な血圧の変動や不整脈、胸の痛みなどの心臓に関する症状が出た場合は、循環器系の疾患を疑う必要があります。
また頻尿や排尿時の痛み、残尿感がある場合は、前立腺の病気が隠れている可能性があります。手足のしびれや冷えが強い場合は、末梢神経障害や血行障害の症状かもしれません。
持病がある場合の対応
高血圧や糖尿病、心臓病などの持病がある場合、ED治療には特別な注意が必要です。現在服用している薬との相互作用や、治療による身体への負担を考慮しなければなりません。
また血圧の変動が大きい場合は、性行為による負荷に注意が必要です。持病の主治医とED専門医の両方に相談し、安全な治療計画を立てることが重要となります。基礎疾患の状態が安定していない場合は、まずその治療を優先する必要があります。
勃起障害に関するよくある質問
ここでは、多くの方から寄せられる勃起障害(ED)に関する質問の回答をご紹介します。具体的な質問内容は以下のとおりです。
- 何歳からED対策が必要?
- 1日の勃起回数の正常値は?
- ED治療に市販サプリは効果がある?
- 中折れは治療が必要か?
勃起不全や中折れに悩んでいる方は、こちらも読み進めてみてください。
何歳からED対策が必要?
EDは年齢に関係なく発症する可能性があります。20代や30代の若い世代でも、ストレスや生活習慣の乱れが原因で症状が現れることがあります。加齢とともに発症リスクは高まりますが、40代以降に起こる症状は、生活習慣病との関連性が強くなります。
予防的な対策は20代から始めることが有効です。若いうちから運動習慣を身につけ、バランスの良い食事を心がけることで、将来的なリスクを軽減できます。
また定期的な健康診断で、血圧や血糖値などの基礎的な数値をチェックすることも大切となります。早めの対策で、長期的な健康維持につながります。
1日の勃起回数の正常値は?
勃起の回数は個人差が大きく、生活環境や体調によって変動します。健康な成人男性の場合、睡眠中や起床時を含めて1日に3~6回程度の自然な勃起が起きます。
特に睡眠中のレム睡眠期には、自然な勃起が複数回発生するのが一般的です。朝立ちは、睡眠の質や男性ホルモンの状態を反映する重要な指標となります。
ただし勃起の回数は年齢とともに徐々に減少することがあり、これは自然な変化といえます。生活習慣の乱れや強いストレスがある場合、一時的に勃起回数が減少することもあります。極端な減少や完全な消失がある場合は、医師への相談が必要となります。
ED治療に市販サプリは効果がある?
ドラッグストアや薬局では、精力剤のサプリメントが販売されています。サプリメントは健康食品であり、健康の維持増進に一定の効果を見込める可能性もあるでしょう。
例えば「亜鉛」は、骨や皮膚、肝臓、前立腺などにある成分であってタンパク質の合成にも関わっており、精子の形成に重要な役割があることが知られています。亜鉛のサプリメントを摂取することで、生殖機能の増進につながることも考えられます。
ただし、「マカ」など一般的に精力剤として知られていてサプリメントに入っていても、医学的な根拠がない栄養分もあります。
中折れは治療が必要か?
中折れは性行為中に勃起が維持できなくなる症状です。一時的な疲労やストレスが原因の場合、休養を取ることで自然に改善することがあります。
ただし症状が頻繁に起こる、または長期間続く場合は、血行不良や神経系の問題が隠れている可能性があります。特に40代以降で症状が出始めた場合、生活習慣病との関連性を確認する必要があります。
また心理的な不安が強い場合は、カウンセリングが効果的な場合もあります。まずは生活習慣の見直しから始め、改善が見られない場合は医師に相談することが望ましいです。