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髪が細くなった原因って何?今日から改善できる対策

髪が細くなった原因って何?今日から改善できる対策
2025.11.28
 

鏡を見るたびに、髪のボリュームが減ったと感じていませんか?

髪の量が減ったり、細くなったりすると以前と同じスタイリングをしても、全体的にペタンとした印象になってしまいます。

髪が細くなる原因は、加齢だけではありません。 睡眠不足や栄養の偏り、間違ったシャンプー方法などが髪を弱らせている可能性があるのです。

この記事では、髪が細くなる5つの原因と、自宅で実践できる改善方法をお伝えします。 正しい対策を続けることで、ハリとコシのある健康的な髪を取り戻せます。

今日から変えられる習慣を一緒に見つけていきましょう。

監修者

浦部 一大朗

ヴィタリス製薬株式会社
代表取締役 浦部 一大朗

大手医療用医薬品製薬メーカーに4年在籍。高血圧治療薬や糖尿病治療薬といった生活習慣病薬から抗がん剤まで幅広い医薬品の情報提供に携わっておりました。現在は、家業である一般用医薬品メーカーヴィタリス製薬4代目社長として就任。

・東京薬科大学卒業。薬剤師資格保有
・大手製薬会社で医薬情報提供者(MR)として従事
・2023年7月よりヴィタリス製薬入社
・2024年10月より4代目代表取締役に就任

髪が細くなったと感じる6つの原因

最近、髪のボリュームが減ってきた、スタイリングが決まらないと感じていませんか?

髪が細くなる原因は、実に多岐にわたります。加齢によるホルモンバランスの変化から、日々の生活習慣の乱れまで、さまざまな要因が複雑に絡み合っているのです。

この章では、髪が細くなる主な6つの原因を詳しく見ていきましょう。

加齢やホルモンバランスの変化による影響

女性が髪の細さを自覚し始めるのは、多くの場合40代頃からとされています。

【髪の健康に深く関わるホルモン】

  • エストロゲン(女性ホルモン)
  • プロゲステロン(女性ホルモン)
  • 成長ホルモン

エストロゲンは頭皮の弾力性や潤いを保ち、髪のツヤやハリを高める働きがあります。一方、プロゲステロンは太くて長い髪が育つよう成長を支える働きを持っています。

これらのホルモンは20代前半から中盤をピークに減少し、特に30代後半から40歳前後にかけて分泌量が低下することで、髪が細くなったり抜けやすくなったりする傾向が見られます。

40代に入ると女性ホルモンの減少が顕著になり、髪の成長サイクルが乱れることで、新しく生えてくる髪が細くなったり、抜け毛が増えたりします。

栄養不足が頭皮と髪に与える影響

髪の主成分は、約80~90%がタンパク質で構成されています。

特にケラチンというタンパク質が髪の大部分を占めており、このケラチンが不足すると髪が細くなったり、ハリやコシがなくなったりします。

毛乳頭細胞が栄養を受け取ると、毛母細胞に髪をつくるよう指令を出し、毛母細胞が分裂して髪が生成されます。つまり、毛乳頭細胞にしっかりと栄養を届けることが、薄毛の予防・改善につながるのです。

特に髪の健康のために必要な栄養素は、タンパク質、ビタミンB群、鉄、亜鉛の4つです。

鉄、ビタミンD、タンパク質の不足は、髪の成長期を短縮させ、毛包が小さくなることや、ハリ・コシのない切れやすい髪の形成につながるとされています。

睡眠の質低下とストレスによる影響

髪を健やかに育む成長ホルモンは、眠っている間に分泌されます。

睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が減少し、毛髪の形成に必要なタンパク質の合成が十分に行われなくなるおそれがあるのです。

睡眠不足は自律神経のバランスを崩しやすく、交感神経が優位になると頭皮の血管が収縮し、血行不良を引き起こします。これにより頭部に必要な栄養素を血液が運ばなくなることが薄毛や抜け毛の原因となるのです。

過度なストレスを受けたり、たまったストレスを発散できない状態が続いたりすると、自律神経の乱れから毛細血管が収縮し、血流の悪化によって栄養不足を招きやすくなります。

髪の毛が成長して抜け落ちるまでのヘアサイクルも乱れ、十分に育ちきる前の細い状態で抜け落ちることがあります。

頭皮の血行不良と生活習慣の関係

髪は毛母細胞の分裂によって成長します。毛母細胞は毛乳頭から栄養を受け取っており、この栄養は毛乳頭に入り込む毛細血管を通じて血液から供給されます。そのため、頭皮の血流が悪くなると毛母細胞の働きが弱まり、髪の成長が妨げられて薄毛や抜け毛の原因となります。

これにより、頭皮の血流が悪くなると毛母細胞の働きが弱まり、髪の成長が妨げられて薄毛や抜け毛の原因となるのです。

筋肉が伸び縮みしてポンプのような働きをすることで、血液は全身に循環しやすくなります。そのため、体をあまり動かさないと筋肉のポンプ作用が弱まり、全身の血流が悪くなって頭皮の血行不良にもつながるのです。

脂質を多く摂りすぎると、血液中の脂肪分が増えて血液がドロドロになり、血流が悪くなる原因となります。また、睡眠不足の状態では交感神経の働きが強まり、血管が収縮して血行が悪くなります。

頭皮の血流を保つには、食生活のバランスと十分な睡眠がどちらも大切です。

ヘアカラーや紫外線などの外的ダメージ

紫外線は髪の表面を覆っているキューティクルを傷つけ、内部にまで到達します。

キューティクルが損傷すると、髪の内部にあるメラニン色素が紫外線によって分解され、髪が乾燥しパサつきやすくなります。ヘアカラーをした髪は通常の髪よりもメラニン色素が減少した状態になっています。

髪が本来持つ紫外線からの防御機能が低下しているので、ヘアカラーが褪せるだけでなく髪自体も傷みやすくなってしまうのです。

パーマ剤は髪の内部構造に作用して形を変えるため、内部のたんぱく質や水分が失われやすくなります。その結果、髪が乾燥したり、絡まりやすくなったり、不自然なうねりが出ることがあります。

脱毛症の可能性と考え方

びまん性脱毛症とは、広範囲に薄毛が広がっていく症状のことで、女性の薄毛症状を伴う疾患を示すのに最も広い意味で用いられる脱毛症の分類の一つです。髪全体のボリュームが減っていくのが特徴で、頭部全体が薄くなる傾向が多く見られます。

FAGA(女性男性型脱毛症)は、女性ホルモンの減少や男性ホルモンの影響などによって、毛周期の成長期が短くなることで発症する脱毛症です。

加齢や出産、ストレス、生活習慣の乱れなどもホルモンバランスの変化を引き起こし、発症の一因となります。

男性の薄毛は生え際や頭頂部など局所的に薄くなりますが、女性の薄毛は頭部全体的に薄くなるのが特徴です。抜け毛が増える、髪の毛のコシがなくなり細くなる、分け目が目立つなどが気になるようになると注意が必要です。

参照元:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版|日本皮膚科学会ガイドライン

生活習慣を見直して髪を健やかに保つ

髪の健康は日々の生活習慣に大きく左右されます。

髪が細くなる背景には、食事内容や睡眠時間、運動量、嗜好品との付き合い方など、複数の要因が関係しているのです。

どれか一つだけを改善しても十分な変化は期待しにくいため、総合的に生活を整えることが大切になります。これから具体的な改善策を見ていきましょう。

タンパク質・ミネラル・ビタミンを意識した食事

髪の約85%はケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されており、髪の原料として欠かせません。タンパク質だけでなく、ケラチンの合成を助ける亜鉛などのミネラルも必要です。

【亜鉛】
牡蠣やチーズ、レバーなど

【ビタミンB2・B6】
ブロッコリー、ほうれん草、納豆、バナナなど
皮脂の分泌を抑え、皮膚の新陳代謝を促す

栄養バランスの整った食事を心がけることで、髪の成長に必要な土台が作られます。

日常で取り入れやすい食材の組み合わせ

毎日の食事で意識したいのは、主菜・副菜・主食のバランスです。魚や大豆製品を主菜にすると、タンパク質とともに必須脂肪酸や鉄、亜鉛も摂取できます。

副菜には緑黄色野菜を取り入れると、鉄や亜鉛、β-カロテンなど髪に良いとされる微量栄養素を補えます。納豆と卵、ナッツと野菜炒めなど、複数の食材を組み合わせることで効率よく栄養を摂ることができるでしょう。

参照元:栄養に関する基礎知識|国立研究開発法人 国立循環器病研究センター

睡眠の質を高める環境づくり

髪の成長には成長ホルモンの分泌が関わっており、このホルモンは睡眠中に多く分泌されます。

成長ホルモンは入眠後3時間がピークとなり、その後数時間かけて全身をめぐるとされています。

睡眠時間の確保だけでなく、深い眠りに入れる環境を整えることが大切です。寝室の温度や湿度、照明の明るさ、寝具の快適さなど、質の高い睡眠につながる要素を見直してみましょう。

毎朝決まった時間に起きることで、体内リズムが整い睡眠の質も向上する可能性があります。

就寝前の習慣とリラックス方法

就寝の3時間前には食事を済ませ、1〜2時間前には入浴を終えておくと良いでしょう。

38度から40度程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かると、1日の疲れが取れてスムーズな入眠につながるとされています。

寝る前のスマホやパソコンの使用は控え、カフェインの摂取も午後6時以降は避けることが推奨されます。リラックスできる環境を作ることで、質の高い睡眠が期待できます。

参照元:健康づくりのための睡眠ガイド2023

適度な運動で血流を促進する工夫

髪の成長に必要な栄養は血液によって運ばれます。頭皮の血流が悪化すると、毛根に栄養が届きにくくなるため、血行を良くする運動が役立つでしょう。

有酸素運動は末梢の血流を促進してくれるため、頭皮の血流改善に効果的とされています。ウォーキングを1日20分程度行うだけでも変化が期待できます。

ただし、激しすぎる運動は血中の活性酸素を増やし、毛根にダメージを与える可能性があるため注意が必要です。

いつでもできる簡単なストレッチや、10分程度の散歩がおすすめです。肩まわしや首のストレッチで上半身の血流を改善し、頭皮に血液を届けやすくしましょう。

飲酒・喫煙・過度なダイエットを見直す

過度な飲酒はアルコールを分解する際に、髪の成長に必要なアミノ酸やビタミンなどの栄養素を多く消費してしまいます。

喫煙に含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、血行が悪くなって髪に栄養が届きにくくなるとされています。

また、過度なダイエットによる食事制限は体が飢餓状態になり、髪にまで栄養が行き届かなくなる可能性があります。

適量の飲酒、禁煙、バランスの取れた食事と運動によるダイエットを心がけることで、髪の健康を守ることができるでしょう。

ヘアケア方法を改善して髪を守る

毎日のヘアケアを少し変えるだけで、髪の健康状態は大きく変わります。

正しい方法で髪を扱えば、細くなってしまった髪も元気を取り戻せるかもしれません。シャンプーやドライヤーの使い方、紫外線対策など、日々のケアで気をつけるべきことはたくさんあります。

どれも特別な道具や高価な製品は必要なく、今日から取り組める内容ばかりです。

シャンプーの頻度と正しい洗い方

髪を洗う頻度は基本的に1日1回が理想とされています。洗いすぎると頭皮に必要な皮脂まで落としてしまい、乾燥や炎症の原因になります。

一方で洗浄が不足すると、皮脂や汚れが蓄積して毛穴詰まりを起こし、髪の成長を妨げてしまいます。

季節や頭皮の状態に応じて、夏場は毎日、冬場は2日に1回など調整し、下記の洗髪のポイントを取り入れるのがおすすめです。

【シャンプー前】
ブラッシングで汚れを浮かせ、予洗いで髪と頭皮をしっかり濡らす

【シャンプー】
シャンプーは手のひらで泡立ててから髪につけ、指の腹で頭皮をマッサージするように洗う

【すすぎ】
すすぎ残しは頭皮トラブルの原因になるため、時間をかけてしっかり洗い流すことが大切です。

指の腹での洗浄と適切なすすぎ方

爪を立ててゴシゴシ洗うのは厳禁です。指の腹を使って、頭皮を傷つけないよう優しく洗いましょう。

シャンプーブラシを使う場合も、力を入れすぎず気持ちいいと感じる程度にとどめます。すすぎは予洗いと同じく重要で、シャワーヘッドを頭皮に近づけ、髪をかき分けながら丁寧に流します。

耳の後ろや襟足など、すすぎ残しが起こりやすい部分には特に注意が必要です。

ドライヤーとブラッシングの適切な方法

濡れた髪は非常にデリケートな状態にあります。髪が濡れているとキューティクルが開き、ダメージを受けやすくなるため、洗髪後はできるだけ早く乾かすことが重要です。

ドライヤーを使う前には、タオルで髪を優しく押さえて水分を取ります。ゴシゴシこすると摩擦でキューティクルが剥がれてしまうため注意しましょう。

ドライヤーは髪から15〜20cm程度離し、一箇所に集中して当て続けないよう小刻みに動かします。髪が濡れていると約60℃からタンパク変性が始まるため、熱の当てすぎには気をつけてください。

根元から中間、毛先の順に乾かすのが基本です。全体が8割ほど乾いたら冷風に切り替え、キューティクルを引き締めてツヤを出します。

ブラッシングは濡れた髪には行わず、ある程度乾いてから毛先から順にとかしましょう。シャンプー前のブラッシングは汚れを浮かせる効果があり、おすすめのタイミングです。

紫外線や熱ダメージから髪を守る対策

髪や頭皮は顔以上に紫外線の影響を受けやすい部位です。

紫外線はキューティクルを傷つけ、髪の乾燥やパサつき、色素の分解による変色を引き起こします。頭皮に届く紫外線は毛母細胞にダメージを与え、抜け毛や薄毛の原因になることもあります。

外出時は帽子や日傘で物理的に紫外線を遮るのが効果的です。髪用のUVスプレーを2〜3時間おきに使用するのも有効な対策になります。

海やプールなど髪が濡れた状態で紫外線を浴びると、通常よりもダメージが大きくなるため、特に注意が必要です。

紫外線を浴びた後は、頭皮と髪のクールダウンを行います。冷やしたタオルで頭皮を覆い、熱を取り除きましょう。

洗髪時は髪同士をこすり合わせないよう優しく洗い、トリートメントやオイルでしっかり保湿します。ドライヤーは熱風で乾かした後、冷風でキューティクルを引き締めるのがポイントです。

ヘアケア製品を選ぶときの確認ポイント

シャンプーを選ぶ際は、まず洗浄成分に注目しましょう。成分表示は配合量の多い順に記載されているため、上位にある界面活性剤がそのシャンプーの特徴を決定づけます。

アミノ酸系洗浄成分は低刺激でマイルドな洗浄力を持ち、乾燥肌や敏感肌の方に適しています。代表的な成分名として、ココイルグルタミン酸NaやココイルメチルアラニンNaなどがあります。

高級アルコール系は洗浄力が強く、皮脂分泌が多い方に向いていますが、乾燥肌の方には刺激が強すぎる場合があります。

頭皮の状態に合わせた選択が重要です。脂性肌の方は洗浄力のあるシャンプーを、乾燥肌の方は保湿成分が豊富なものを選びます。

ヒアルロン酸やセラミド、植物オイルなどの保湿成分が配合されているかチェックしましょう。

添加物にも注意が必要です。着色料や防腐剤が肌に合わない場合もあるため、敏感肌の方はできるだけシンプルな成分構成のシャンプーを選ぶとよいでしょう。

シリコンは髪にまとまりを与えますが、蓄積するとベタつきの原因になることもあります。自分の髪質や頭皮の状態を観察しながら、最適な製品を見つけることが大切です。

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