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髪のボリュームがなくなったのはなぜ?原因と対策を解説

髪のボリュームがなくなったのはなぜ?原因と対策を解説
2025.11.10
 

鏡を見たとき、以前より髪のボリュームが減ったと感じていませんか?

髪がぺたんこになると、老けた印象を与えてしまいます。髪のボリュームが失われる原因は、加齢だけではありません。生活習慣や頭皮環境、ホルモンバランスなど、さまざまな要因が関わっています。

この記事では、髪のボリュームがなくなる主な原因と、すぐに実践できる対策方法をご紹介します。

監修者

浦部 一大朗

ヴィタリス製薬株式会社
代表取締役 浦部 一大朗

大手医療用医薬品製薬メーカーに4年在籍。高血圧治療薬や糖尿病治療薬といった生活習慣病薬から抗がん剤まで幅広い医薬品の情報提供に携わっておりました。現在は、家業である一般用医薬品メーカーヴィタリス製薬4代目社長として就任。

・東京薬科大学卒業。薬剤師資格保有
・大手製薬会社で医薬情報提供者(MR)として従事
・2023年7月よりヴィタリス製薬入社
・2024年10月より4代目代表取締役に就任

髪のボリュームが減る主な原因

髪のボリュームが減る主な原因

最近、髪のハリやコシがなくなったと感じる男性も少なくありません。

ボリュームが落ちて見えるのは、単なる年齢のせいだけではなく、ホルモンの働きや生活習慣、頭皮環境の変化が複雑に関係しています。

髪が細くなったり、本数が減ったりすることで見た目の印象も変わりやすくなります。まずは自分に起きている変化の原因を知ることが、改善への第一歩です。

加齢と男性ホルモンの影響

年齢を重ねるにつれて、男性の多くは髪のボリューム低下を感じるようになります。その主な原因の一つが、男性ホルモン(テストステロン)の影響です。

テストステロン自体は健康維持に欠かせないホルモンですが、体内で「5αリダクターゼ」という酵素によって「DHT(ジヒドロテストステロン)」という物質に変わると、髪の成長に悪影響を及ぼします。

DHTは毛根の奥にある毛乳頭細胞の働きを弱め、ヘアサイクル(髪の生え変わり周期)を短くしてしまいます。その結果、髪が十分に成長する前に抜け落ちてしまい、全体的にハリやコシを失っていくのです。

さらに40代以降になると、頭皮の血流が低下しやすくなり、毛根に栄養が届きにくくなります。血行が悪くなると髪の一本一本が細くなり、根元から立ち上がりにくくなるため、実際以上にボリュームダウンして見えてしまいます。

こうした加齢による変化を完全に防ぐことは難しいものの、早い段階で頭皮ケアを始めたり、食生活や睡眠を整えたりすることで進行を遅らせることは可能です。髪の老化サインを見逃さず、日常的なケアを続けることが重要です。

生活習慣の乱れが髪に与える影響

不規則な生活や睡眠不足、偏った食事は、髪の健康に大きな影響を与えます。

髪を作るために必要な栄養素は血液を通して頭皮に運ばれますが、睡眠や食事が乱れるとその供給が滞り、毛根が十分に栄養を受け取れなくなります。

特に睡眠中に分泌される「成長ホルモン」は、髪の修復や新しい毛の成長に関わる重要な役割を果たしています。睡眠時間が短い、または眠りが浅い状態が続くと、髪の成長が遅くなり、結果的に抜け毛や細毛が増えてしまうのです。

また、ストレスも髪に悪影響を及ぼします。強いストレスを受けると自律神経が乱れ、頭皮の血行が悪化します。さらにストレスによって分泌されるホルモン「コルチゾール」は、髪の成長期を短くし、抜け毛を促進することがわかっています。

参照:https://jddonline.com/articles/stress-and-the-hair-growth-cycle-cortisol-induced-hair-growth-disruption-S1545961616P1001X/

忙しい現代社会では避けにくい要素ですが、ストレスを上手にコントロールすることが大切です。適度な運動や趣味の時間を持ち、生活リズムを整えることで、髪の健康も自然と取り戻しやすくなります。

頭皮環境の悪化とヘアダメージ

男性の頭皮は女性に比べて皮脂の分泌量が多く、毛穴の詰まりが起きやすい傾向があります。余分な皮脂や汚れが毛穴に溜まると、髪が根元から立ち上がらず、ボリュームが出にくくなります。

また、皮脂が酸化すると頭皮に炎症を起こし、かゆみやフケ、抜け毛の原因にもつながります。これを防ぐためには、過剰な洗浄を避けながら、清潔でバランスの取れた頭皮環境を維持することが重要です。

さらに、紫外線やカラー剤、パーマなどの外的ダメージも髪のボリューム低下に影響します。これらの要因によってキューティクル(髪の表面を守る膜)が剥がれると、髪内部のタンパク質が流出し、ハリやコシが失われてしまいます。

日常的に帽子を長時間かぶる、髪を強く引っ張るスタイリングを続けることも、毛根への負担となります。

頭皮と髪は一枚皮でつながっています。つまり「頭皮の健康=髪の健康」です。頭皮を健やかに保つことで、根元から立ち上がる強い髪を育てる土台を整えることができます。

髪のボリュームを取り戻す対策

髪のボリュームを取り戻す対策

髪のボリュームが減ったと感じたときは、まず日常の生活習慣と頭皮ケアを見直すことが大切です。多くの場合、原因は複数重なっていますが、生活の土台を整えることで頭皮環境が改善し、髪が立ち上がりやすくなることがあります。

高価な育毛剤を使う前に、自分の生活リズムやケア方法を整えることが、最も効果的な第一歩です。

生活習慣の見直しで髪を育てる

健康な髪を育てるためには、体全体のコンディションを整えることが欠かせません。髪の主成分は「ケラチン」というタンパク質でできており、日々の食事から十分な栄養を摂取する必要があります。

特に赤身肉や魚、大豆製品、卵などに多く含まれる良質なタンパク質は、髪の強度や太さを保つために重要です。また、ビタミンB群や亜鉛などのミネラルも、毛根の働きを助ける栄養素として知られています。

加えて、睡眠も髪の成長を支える重要な要素です。成長ホルモンは睡眠中、とくに深いノンレム睡眠のときに分泌されます。

夜更かしや不規則な生活が続くと分泌が減少し、髪の修復が追いつかなくなってしまいます。できるだけ毎日6〜7時間の睡眠を確保し、就寝・起床時間を一定にすることを心がけましょう。

さらに、ストレスのコントロールも欠かせません。強いストレスは血行を悪化させ、頭皮への酸素や栄養の供給を妨げます。

ウォーキングや軽い筋トレなど、体を動かす時間をつくることでストレスを軽減し、血流を促す効果も期待できます。生活の基本を整えることが、髪のボリュームを取り戻すための土台となるのです。

正しいシャンプーとヘアケア方法

男性の頭皮は皮脂の分泌量が多く、毎日しっかり洗っているつもりでも、逆に洗いすぎがトラブルを招くことがあります。

洗浄力の強すぎるシャンプーを使うと、頭皮に必要な皮脂まで落とし、乾燥を招いてかえって皮脂の過剰分泌を引き起こすのです。その結果、毛穴が詰まり、髪が根元から立ち上がりにくくなってしまいます。

シャンプーを選ぶ際は、アミノ酸系などのマイルドな洗浄成分を含むものを選びましょう。洗髪時は爪を立てず、指の腹でやさしくマッサージするように洗うのがポイントです。頭皮の血行を促すように意識して洗うと、リフレッシュ効果も高まります。

また、リンスやトリートメントを使うときは、毛先中心につけて頭皮にはつけないように注意が必要です。洗髪後はタオルでゴシゴシこすらず、水分を軽く押さえるように拭き取りましょう。

その後、すぐにドライヤーで根元から乾かすことで、雑菌の繁殖を防ぎ、頭皮環境を清潔に保つことができます。毎日の正しい洗い方が、ボリュームのある髪を育てる第一歩になります。

ドライヤーの使い方を工夫する

ドライヤーの使い方ひとつで、髪の見た目は大きく変わります。髪がぺたんとしやすい男性ほど、乾かし方に工夫を加えることで、根元から立ち上がった自然なボリュームを出すことができます。

まず、タオルドライをした後は、ドライヤーを根元からあてるようにしましょう。髪を軽く持ち上げ、下から風を送ることで、根元がふんわりと立ち上がります。特にトップの部分は、毛流れと逆方向から風を当てるのがポイントです。熱を加えたあと、冷風で形を固定すると、スタイルが長持ちします。

また、ドライヤーを動かさずに同じ箇所に長く当て続けると、髪や頭皮を傷める原因になります。ドライヤーは常に動かしながら、全体にまんべんなく風を当てましょう。髪を下に向けて乾かすのではなく、頭を少し下げて逆立てるように乾かすと、自然なボリューム感が出ます。

整髪料を使う場合は、ドライ後の髪に軽めのワックスやミストを少量なじませるとよいでしょう。ベタつきを避けつつ、ナチュラルな立体感を演出できます。正しいドライヤーの使い方は、スタイリング剤よりも大きな効果をもたらすポイントです。

今すぐ試せるスタイリング方法

髪質や頭皮環境の改善には時間がかかりますが、スタイリングを工夫することで、見た目の印象を即座に変えることができます。

特に男性の場合、髪のボリュームは清潔感や若々しさに直結します。毎日のセットで少し意識を変えるだけで、印象がぐっと明るくなることもあります。

ここでは、自宅ですぐ試せるスタイリングのコツをご紹介します。

根元から立ち上げる乾かし方

髪を立ち上げて見せるには、乾かし方が最も重要です。ドライヤーの使い方を変えるだけで、ワックスやスプレーを使わなくても自然なボリューム感を演出できます。

まずはタオルドライ後、髪を手で軽く持ち上げながら、根元に温風を当てて乾かします。髪の毛は乾くときに形が固定されるため、立ち上げたい方向とは逆側に風を当てるのがコツです。特にトップや前髪の根元を意識して、ドライヤーを下から当てると、ふんわりとした仕上がりになります。

ある程度乾いたら、冷風に切り替えて形をキープします。これにより、熱でついた形がしっかり固定され、長時間ふんわり感を維持できます。髪全体を乾かす際は、ドライヤーを一点に当て続けず、常に動かすことで熱ダメージを防ぎましょう。

仕上げには、軽めのスタイリング剤を使用します。ワックスなら「ナチュラルマット」タイプや「エアリータイプ」など、束感を出しすぎないものがおすすめです。全体を立ち上げるのではなく、トップや前髪の一部をふんわり見せる程度に整えると、自然で清潔感のある印象になります。

カットやパーマで見た目を改善

ボリュームを出したいとき、スタイリングだけでなくカットやパーマの工夫も大きな助けになります。美容院で適切なカットを受けると、髪が自然に立ち上がりやすくなり、朝のセット時間も短縮できます。

たとえば、トップにレイヤーを入れる「トップレイヤーカット」は、根元が軽くなり、ふんわりした動きを出しやすいスタイルです。髪全体のシルエットを調整することで、頭頂部のボリューム不足もカバーできます。ショートやベリーショートの男性なら、サイドや襟足をやや短く刈り上げ、トップをやや長めに残すことで、自然な高さと立体感が生まれます

また、最近は「ボリュームパーマ」や「ポイントパーマ」と呼ばれる軽いパーマが人気です。髪の根元だけに動きをつけることで、スタイリング剤をほとんど使わずにボリュームをキープできます。髪質が柔らかくぺたんとしやすい男性や、朝のスタイリングに時間をかけたくない人にぴったりです。

加えて、トリートメントやケラチン補修を併用することで、髪の内部からハリ・コシを回復させることもできます。これにより、セットしたスタイルが崩れにくくなる効果も期待できます。

髪の状態や骨格に合わせたカット・施術を受けることで、ボリューム不足を自然にカバーしながら、若々しく清潔感のある印象を保つことができるでしょう。

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